どんな体制が必要か?
DXを内製で進めるにあたり、まずはシチズンデベロッパー(リンク:誰がDXをすすめるのか)が手元の業務をスピードアップするところから始めることになると思います。
しかし、その次のステップに進めようとしたときには、どんな体制で取り組むのがいいでしょうか。
手元の業務のアプリケーション化ができると、次にこのアプリケーションでチーム内や部署内、さらに関連部署とのやり取りも検討できるようになります。
徐々に関連するメンバーを集めてDX推進体制を編成しながら適用範囲を広げるとよいでしょう。
それでは、次のステップに進めようとしたとき、どんな体制で取り組むのがいいでしょうか。
部門間を連携するようなDX推進体制としては、次項のような体制と役割が望ましいと考えられます。
DX推進体制
1.利用者(ビジネスユーザー)
DX推進プランを進めるにあたり、DXが進むと業務が効率化できるユーザー部門に所属する人です。この中にプランの責任者や利用者が含まれます。
a.ステークホルダー
DXを進めることによって効果を得られる業務や部署の責任者です。DXの為の人材をアサインしたり、継続の判断をします。
b.アプリケーションオペレーター
DXによってつくられた新たな業務やアプリケーションを利用する担当者です。出来上がったアプリケーションの評価やフィードバックを行います。
2.開発チーム(シチズンデベロッパー)
業務担当者や最初のアプリケーションをつくるシチズンデベロッパーに加えて、業務間の連携や部門間のデータの受け渡しの方法などを検討する設計者を含みます。
さらに対象の範囲が広がってきたときにDX推進プランを進めるための管理者を置くことによって、さらにスムーズなプロジェクト推進が可能です。
a.プロダクトオーナー
ステークホルダーの意向を受けて想定効果と開発されたアプリケーションを照らし合わせ、最も効率よく効果を出すための工夫をする責任者です。
b.シチズンデベロッパー
Excel、Access、Salesforceなどのツールを使用し、事業部門で営業事務、経理、マーケティング、人事、オペレーションなど実際の業務を担当している人物です。業務改善や改修の経験はありませんが、業務上の問題点を把握しています。
c.ビジネスアナリスト
業務を効率化する為にExcelで計算式を活用したシートの作成や業務フローの改善、BIツールのダッシュボード作成の為のさまざまなデータ収集やまとめ方の工夫などを行うことができますが、アプリケーション開発の経験はない人物です。
業務知識を充分に持ち、どこにどのようなデータがあるのかを知っているので、チームをリードすることができます。
d.スクラムマスター
スクラム開発チームの計画を管理します。一定の期間内に予定したタスクの進捗状況を把握し、問題が発生しそうになった場合にはその原因と対策検討を主導します。
必要に応じてプロダクトオーナーと情報共有し、スクラム開発のすすめ方を決定します。
3.プロ開発者チーム
開発のプロフェッショナルとしてDX推進プランに関わります。
開発者としての経験や知識を活用して複雑なアプリケーションを構築する際の設計支援や、外部連携や新しい機能モジュールなどを作り、開発チームを支援します。
ITデベロッパー
開発チームでは技術的な難易度が高い事案の調査や支援を行います。複雑または大規模なシステム構築や既存システムとの連携などの場合に参加し、コネクタ、モジュール、ウィジェットなどを自ら作りながら開発チームを支援します。
不足する役割については必要に応じて体制内で兼務したり、外部リソースに支援を求めても構いませんが、DX推進体制の主体は社内に設置することにすることがポイントです。
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